ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上)

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)



ローマ人の物語」の第一弾はローマの神話時代から
王制時代、共和制確立までと、
この当時のギリシア情勢について。


ローマは建国の時期から市民権の考え方があったり、
王が投票で選ばれたり、という感じで東洋的な感覚とは
随分と違います。
周辺民族との戦いと取り込みの過程は痛快ですが、
本来の民族間の戦いにおける生き残りをかけた厳しさが
なかなか理解できないものなので、
ローマ人の理想論的なふるまいはむしろ日本人には
すんなりと受け入れられそうです。


ギリシア情勢は、アテネとスパルタの紹介と、
アケメネス朝ペルシアとの戦争でのテミストクレスの活躍。
年表を追う感じで進められたローマに関する記述に比べると、
ペルシア戦争でのギリシアの逆転勝ちは話の筋としては面白いのですが、
マラトンテルモピュレー、サラミスといった有名な戦闘の
記述はかなりあっさりです。
ギリシアはあくまでサブストーリーなので致し方なし、
といったところでしょうか。