ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下)
ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) (新潮文庫)
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/06/01
- メディア: 文庫
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「ローマ人の物語」の第二弾は共和政ローマの成立と
そのシステム解説、そしてイタリア統一まで。
紀元前367年と言えば今から2373年も前。
日本はまだ歴史以前、中国でもまだ戦国時代に入ったばかりの時期ですが
この年にローマ人が成立させた法律「リキニウス法」。
この法律によりローマは、国政の中枢に平民を受け入れることを
決定します。しかも貴族の賛成も取り付けて。
全くローマ人の先進性は驚きです。
このような法律が成立した理由が
・ギリシアの衰退
・平民階級の台頭
と説明されているのですが、こんな理由があるにしても
流血もなく貴族があっさりと平民の受け入れを決めたことは
なかなか理解が難しい。。。
「貴族」というものが中世的な存在とは異なるのでしょうか。
あと、イタリア統一の過程では、エトルリア人、ケルト(ガリア)人、
サムニウム族、イタリア在住ギリシア人と、
立て続けに打ち破っていきます。
この時期は史料が少ないのか、あまり人物名も登場しないまま
歴史の流れが説明されるだけで(主語が「ローマ」ですから)、
ちょっと単調な感じもしますが、
紆余曲折の中で次々勝利を収めていく様子はスッと読めます。