詭弁論理学

詭弁論理学 (中公新書 (448))

詭弁論理学 (中公新書 (448))



タイトルだけ見て、反社会的な本かと思ってしまったのですが、
読んでみると結構まじめな論理学本でした。
強弁・詭弁に関する小話が多く取り上げられていて、
「こういう人いるよなぁ」「こういう議論でしてやられたことがあったなぁ」
と、共感しきりで面白いです。
例えばこの文、
「『本質的な』という言葉は、『おれがいいたい』と
同じ意味ではないかと疑っている」
なんかは実体験としてあって、人と話をしていて
「本質的」なんて言い回しが出てきたら、
まず「あなたの言う『本質的』とは何か?」
というところから先に片付けることで議論を簡潔にする術を
知りました。


本の後半ではパラドックスに関する議論が中心。
論理学の世界では多分基本的な内容(同様の記述を何度か
読んだことがあります)が、論理学のそんなに詳しくない私にとっては
十分興味深く、また文体もサラッと読めて、良い感じです。