ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下)

ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下) (新潮文庫)

「ローマ人の物語」の第五弾は
第二次ポエニ戦争終盤から第三次ポエニ戦争での
カルタゴ滅亡まで。


日本人は、戦争には滅法強いが政治的な理由で本懐を
遂げられない人を好む傾向があり、
日本史であれば、例えば源義経、楠木正成、真田幸村などが
挙げられますが、ハンニバルも全くこのタイプ。
それまで一度も負けなかったにも関わらず、
最後にザマでスキピオに敗れ、各地を転々と亡命、
反ローマ活動を続けますが、実らないまま生涯を終えます。
やっぱり無念だったのかな。
賢明な人だから、自分の活動が実りそうにないことは分かっていたと
思いますけど。
一方で、ローマの英雄スキピオも晩年はあまり幸せでは
ありませんでした。
嫉妬というやつですね。


完全にサブストーリーになりますが、ヌミディア王マシニッサと
その許嫁ソフォニズバの話がいいです。
マシニッサがよい。