ユリウス・カエサル ルビコン以前(中)ローマ人の物語9

ローマ人の物語〈9〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(中) (新潮文庫)

ローマ人の物語〈9〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(中) (新潮文庫)



ローマ人の物語」の第九弾は
カエサル40歳から46歳まで。


この時期にカエサルが実行したことは、
三頭政治(第一次)とガリア遠征。
ただでさえカエサル大スキーの塩野さんの筆が、
戦記部分になるとさらに躍る躍る。
軍隊指揮官としてのカエサルの天才ぶりは、
本当に真似できないし真似するような機会にも
恵まれたくないのですが、
人を率いるリーダーとしての、人の心情に対する配慮は
勉強になります。


三頭政治については、海賊退治で活躍したポンペイウス
同盟者戦役では功名心を前面に出して戦ったクラッススも、
何だかカエサルにいい様に利用されるばかりに
なってしまいます。
元々クラッススには自分の実力以上に名誉を欲するような
ところがあり、カエサルからすれば操作しやすい人だったと
思いますが、ポンペイウスの堕落ぶりはちょっと
理解に苦しみます。
カエサルの前に最後に立ちはだかるのがこの人であることを
考えると、決して堕落したということでもないのかも
しれませんけれど。