ローマ人の物語〈12〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(中)

ローマ人の物語 (12) ユリウス・カエサル ルビコン以後(中) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (12) ユリウス・カエサル ルビコン以後(中) (新潮文庫)



ローマ人の物語」の第十二弾は
カエサル52歳から55歳まで。


内乱は終結し、ようやくカエサルによる国家改造開始。
いつの間にこれほどのことを検討していたのかと
思います。
政治・行政から社会改革まで、現在であれば何百何千の専門家が
頭を寄せ合って、それでも何年もかかりそうな改革を
一人のリーダーシップの元でテキパキ片付けていきます。


数々の改革の中に「教師と医師にはローマ市民権を認める」と
いうものがあります。
「教師と医師」と言えば現在でも「先生」と呼ばれる代表的な知識労働者。
この2つの職業を重視しただけでも素晴らしいのですが、
その上にカエサルはこれらの人々が
「直接的な利益だけでは釣れない人種であることも知っていた。」
本当に、カエサルという人はどこまで「人間」を
知り尽くしているのでしょうか。
著者がカエサル大好きになってしまう理由も
分かるような気がするというものです。