ローマ人の物語〈13〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(下)

ローマ人の物語 (13) ユリウス・カエサル ルビコン以後(下) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (13) ユリウス・カエサル ルビコン以後(下) (新潮文庫)



ローマ人の物語」の第十三弾は
カエサル暗殺からアクティウムの海戦まで。


カエサル暗殺は有名すぎる事件。
例の「ブルータス、お前もか」、ていうアレです。
この本で印象に残ったのは、カエサルの遺言で急遽後継者に指名された
オクタヴィアヌスの聡明さ、そしてクレオパトラの愚かしさ。


時の権力者の暗殺という大混乱の最中、その権力者から後継者に
名指しされてしまったオクタヴィアヌスは若干18歳。
彼と、その右腕のアグリッパのコンビがこの苦境を脱していく
過程はかなり痛快です。


この2人組と対したのが、カエサルの将軍アントニウス
クレオパトラは、このアントニウスと組んでしまったのです。
どうも著者塩野さんはクレオパトラが好みではないのか、
かなり評価が低く、「女の本能に従って身を滅ぼした」という
描き方。
エジプト史には詳しくないのでこの評価の妥当性は
分からないのですが、世界史に名を成すクレオパトラ
こんなに器の小さな人物だったとは驚きです。