有事法制―私たちの安全はだれが守るのか

有事法制―私たちの安全はだれが守るのか (PHP新書)

有事法制―私たちの安全はだれが守るのか (PHP新書)



出版が2003年初頭、ちょうど有事法制3法案
(安全保障会議設置法改正案、自衛隊法等改正案、
武力攻撃事態対処法案)が審議されていた時期。
この3法案は2003年6月6日に可決されることと
なりますが、この3法の内容と必要性、問題点を
やさしく解説した一冊。


元々、自衛隊が戦闘地域内でも信号を守らないと
いけなかったことは知っていましたが、
他にも、陣地構築が建築基準法に規制されるとか、
戦死者の埋葬が墓地埋葬法に規制される、
などが指摘されていて、確かに自衛隊の扱いは
むちゃくちゃだったんだなぁ、と思えます。
また、当時は有事法制といえば「戦争をするための法律」
との誤解が根強かったと思いますが、
むしろ自衛隊の超法規的行動を規制し、
国民の権利を保護することが目的である、と
繰り返し説明されます。


ただし問題点も多く、まだまだいざというときに
自衛隊は満足な行動ができなさそうです。
おそらく、例えば明日にも武力攻撃が発生した場合には、
国民保護のために自衛隊は超法規的行動を実行するだろうし、
国民は自分自身のためにもそれを
支持するしかないのでしょう。