フリーメイソン―西欧神秘主義の変容
- 作者: 吉村正和
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1989/01/17
- メディア: 新書
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フリーメイソンの歴史、思想や、主にアメリカにおける
フリーメイソンの活躍を紹介。
特に興味深かったのはフリーメイソンの思想面の解説。
キリスト教神秘主義の系譜を引き、複雑な参入儀礼に
代表されるカルト的な雰囲気を持つ一方で、
理神論を信奉し、自由と人権の思想に大きな影響を
与える進歩的な一面もあり、中世と近代を結ぶ
役割りを果たしたことが理解できます。
フリーメイソンの起源は今一つ詳らかではないようです。
また、アメリカ独立におけるフリーメイソンの活躍を
見て気づいたのですが、多くのフリーメイソンが
活躍しているのですが、全く組織的ではないのです。
現在のフリーメイソンが慈善団体であることを考えると、
アメリカ独立におけるフリーメイソンの「活躍」は
結果論でしかないようにも読めます。
また、全体的に推論が多く、論拠が少し弱い気がしました。