韓国併合

韓国併合 (岩波新書)

韓国併合 (岩波新書)



明治維新の直後の頃から、1910年の韓国併合に到るまでの
日韓関係史をまとめた一冊。


あとがきを見る限り、著者は日韓関係史における
日本のふるまいには批判的な立場であるようです。
しかし本書は、日韓関係の書物にありがちな
感情論的な議論を回避し、努めて抑制の効いた文章で
貫かれています。
日韓関係の中での日本、李朝清朝、ロシアなどの対応が、
淡々と綴られています。
非常に分かりやすく、良書だと思います。


日清戦争以前は、日本側が朝鮮権益に対する清朝の対応に
ものすごく神経を使っているのが目を引きます。
やはり当時の日本にとって清朝は大国だったのでしょう。
明治維新直後、既に日本には朝鮮蔑視の思想があったようです。
なぜでしょうね。
中華文化圏にあっては、むしろ日本の方が朝鮮よりも
辺境なのですけどね。