物語 イランの歴史―誇り高きペルシアの系譜

物語 イランの歴史―誇り高きペルシアの系譜 (中公新書)

物語 イランの歴史―誇り高きペルシアの系譜 (中公新書)



アケメネス朝以来、イスラム以前を含むイランの歴史を、
近現代を中心に紹介する一冊。


古代、中世はさらっと流す程度です。
カージャール朝以降西欧帝国主義に蝕まれていく過程、
そして、パフレヴィー朝を挟んで、反動としてのイスラム革命
さらにハタミ政権の解放路線。


序章がやや長くて、著者のイランの思い出が延々と続いたときには
どうなることかと思いましたが、その皺寄せか、古代中世はかなり圧縮。
著者はハタミ政権の解放路線をかなり評価しており、その記述に
かなりの分量を割いているため、現在の保守反動のイランの状況から
すると、やや内容が陳腐化しているのは避けられないところです。
確かにハタミ政権の解放路線は欧米に期待させるものがあったと
思いますが、歴史はそうそう思惑通りには進まないものですね。
著者は今のイランの状況をどう見ているのでしょうか。