地球外生命

地球外生命 (講談社現代新書)

地球外生命 (講談社現代新書)



地球以外の惑星に生命が存在するとすれば
それはどのようなものなのか?
現在の生命科学からそれを推論する一冊。


タイトルだけを見ると、トンデモ本のように
見えますが(実際、私もそう思って買ったのですが)、
内容はいたってマジメです。
まず、「生命」の定義というのは、今もって
統一されてないそうですね。
なので、「生命が存在するか」を議論するにあたっても、
その前提が不明確な状態なんですね。
で、本書ではだいたい一般的な生命観を基礎に議論を
進めるのですが、まず、水分子の特異性(水素結合という
性質)から、生命には水が必要であろう、と。
また、炭素の結合の安定性から、炭素も必要。
といった具合に、生命の基本的な構成要素を、元素の
レベルから検討して、その存在に必要な用件を
洗い出していきます。


化学的な知識がある程度ないと読むのがつらい本ですが、
結構楽しめました。
終盤のSETIの話なんかは、まぁ、蛇足かなという気が
しなくもないですが、生命に関してかなり深い知識が
得られる良書だと思います。