死因事典―人はどのように死んでいくのか

死因事典―人はどのように死んでいくのか (ブルーバックス)

死因事典―人はどのように死んでいくのか (ブルーバックス)



人の「死」というものについて、人体の各臓器の異常や伝染病、
過労、事故などさまざまな死因を取り上げて、いろいろな
統計の数値を織り交ぜて見つめていく一冊。


取り上げられている死因は、心臓病、脳の疾患、癌、精神疾患、自殺、
事故、感染症
それぞれの死因について、その要因や、その死因で死ぬ人の統計、実際に
その事態に至るとどうなるのか、などが詳細に解説されます。
著者はジャーナリストであって、医学の専門家ではありません。
出版されたのは2000年。いわゆる健康ブームに乗っかるような本ではなく、
死に関する多くの話題を扱っていますが、それから逃れる術を
あれこれ解説するような本ではありません。


私自身、実際に人の遺体を見たのはこれまでの人生で一度だけです。
祖母の遺体です。中学生のときでした。小さく丸まって、褐色に
なっていたのを覚えています。
人体が、死によってどのように変化していくのか、についての解説は
非常に興味深いものでした。腐敗、ミイラ化、屍蝋化。
人体の最終到達点です。
読み進めていくと、やっぱり自分の身に置き換えて心配になってきますね。
誰しも長生きしたいですからね。
現代社会においては「死」は今一つ身近な存在ではありませんが、
これを見つめるにはいい機会を与えてくれます。