石田三成―「知の参謀」の実像

石田三成―「知の参謀」の実像 (PHP新書)

石田三成―「知の参謀」の実像 (PHP新書)



戦国時代末期、安土桃山の時代に豊臣秀吉に仕え五奉行
一人となり、1600年、関ヶ原の合戦で西軍を率いて
徳川家康と天下分け目の戦いを行い、そして敗れ去った
人物、石田三成の一代記。


石田三成は敗軍の将として、奸臣だとか佞臣などと
呼ばれて低い評価を与えられてきた、ということについて、
著者はその汚名を雪ぐべくこの本を著したそうです。
たしかに戦下手ではあったようですが、奉行、つまり
文官あるいか官僚としては非常な優秀さを備えており、
取次役や堺奉行、博多、京都の復興に辣腕を奮いました。
また戦についても、槍働きは苦手であったものの、
裏方の兵站奉行として活躍しました。


私はそもそも石田三成をそんなに低くは評価していませんでした。
なんといっても徳川幕府創立者の家康と天下分け目の戦いを戦った
人物です。もし無能な人物であれば歴史に残ることなく
その陰で消されていたことでしょう。
結果としては負けてしまったわけですが、実に推定15万人ほどを
組織して徳川家康と一戦交えたんですよね。
この組織力は評価されてよいと思います。
歴史の見方には様々ありますが、著者の言うとおり、石田三成
評価が改善されればよいですね。