日本の歴史〈4〉平安京

日本の歴史〈4〉平安京 (中公文庫)

日本の歴史〈4〉平安京 (中公文庫)



平安時代の初期、8世紀末期から10世紀半ばまでの
日本史。


平安遷都の少し前、称徳天皇崩御道鏡の失脚から
本書は始まります。光仁天皇を経て、桓武天皇へ。
そして平安時代が到来し、極初期の天皇親政の後、
藤原北家による摂関政治の確立を迎え、
平将門藤原純友の乱があり、村上天皇の治世まで。


桓武天皇はすごいですね。平安遷都をした天皇だと
いうことは知っていましたが、坂上田村麻呂
蝦夷征伐もこの天皇の治世なんですね。
内治、軍事に事績を残しているのは偉大なことだと
思います。
薬子の変なんかは、名称のみ知っていて詳細は
知りませんでした。
最澄空海も名前くらいしか知りませんでしたが、
仏教に大きな足跡を残した2人のわりには意外に
俗物なんですね。
菅原道真も拍子抜けするほどあっさりした記述。
平将門藤原純友の乱も同様。
小説ではありませんので、記述が淡々としているのは
まぁ、致し方なし、ですね。
でも読んでいて知識が吸収されていく実感があり、
そういう面でおもしろいです。


読んでいてウンザリするのは汚職
比較的平和な平安時代汚職の時代でもあるのです。
中央で天皇家、藤原家を中心とする王朝文化が
形成されていく一方、地方政治は蔑ろにされ、
受領たちによる苛烈な収奪が行われていました。
中央の遊び三昧と地方の疲弊。非常に対照的です。