陸軍中野学校 情報戦士たちの肖像
- 作者: 斎藤充功
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2006/08/10
- メディア: 新書
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旧日本陸軍において情報工作員の養成のために
設立された陸軍中野学校。
この学校の活動とその卒業生の足跡を追います。
まず「昭和通商」という国策会社と中野学校との関連性が
語られます。情報工作費用など不透明な資金の工面のため
に、この国策会社は阿片を大量に取り扱っていたそうです。
いわゆる闇ビジネスで、これに中野学校卒業生が関わって
いたとのことです。
また、情報工作員の仕事のひとつに兵要地誌の作成、すな
わち戦闘予定地域の地理の調査があるのですが、日本の情
報工作員が実際に作成した西部ニューギニアの調査報告が
紹介されます。現地の風習や動植物の観察などが詳細に記
載されており、日本の工作員の能力の高さを示しています。
主題の性質上いたしかたないことかもしれませんが、読ん
だ印象として非常に根拠薄弱に感じられました。少ない情
報を元にして大胆な推理を述べる、といったところでしょ
うか。まだまだ調査中なのかもしれません。ただ、関係者
はすでに高齢化しており、今後新しい情報が発見されるこ
とも望み薄と思われ、このまま歴史の闇に消えていくのか
もしれませんね。