日本の歴史 (7) 鎌倉幕府
- 作者: 石井進
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2004/11/01
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源頼朝の挙兵から、北条執権政治の確立まで。
年表でいうと1180年から1271年まで。
平安時代の最末期から鎌倉時代前半。
歴史の主役は完全に武士の手に移ります。
前の第6巻では平氏側から見た源平合戦が記されていましたが
今回は源氏側から見た源平合戦が展開されます。
「源氏側」と一言で言ってもそう簡単ではないのですけどね。
少なくとも頼朝と義仲がいますし、他にも行家、範頼、義経。
頼朝以外はみな落命します。源氏内部の主導権争いも熾烈
だったのです。
で、鎌倉幕府。日本史をかじった程度の知識だと征夷大将軍と
言えば源氏なのですが、鎌倉幕府の将軍は意外に藤原氏
だったり皇族だったりします。鎌倉将軍9人のうち源氏将軍は
3人だけです。「源氏」の神通力は室町時代に入ってから、
足利将軍によって作り出されたのでしょう。
歴史を作っていくのは北条氏です。
鎌倉初期の陰謀の数々と承久の乱。これらを乗り切って北条
執権政治が確立されていきます。
読んだ感想を言うと、かなり分かりやすかったと思います。
「武士」というのがどういうものなのか、かなり紙数を割いて
説明してくれます。鎌倉初期の職制など、未解明の部分も
多いのですが、分かってないことは分からないと正直に書いて
くれてます。
頼朝の存在の大きさが際立っているだけに、その後の源氏、
頼家、実朝の哀れさ、北条氏の巧みさが印象的です。
巻末の解説は、かなり手前味噌な感じでした。