白虎隊

白虎隊 (文春新書)

白虎隊 (文春新書)



戊申戦争の際、藩に殉じて集団自決を図った
少年たち、白虎隊。
本書では白虎隊の結成から自決、その後を追います。


本書の筆者は作家さんです。そのため記載内容は
やや感傷的であったり、推論が含まれていたりします。
かなり細かく出典が記されているので、全くの
フィクションは含まれていないと思いますが、
読むにあたっては気を付けなければいけないと
思います。


白虎隊は、実は一つではありません。江戸時代は
身分制の社会ですが、白虎隊も身分毎に、
・白虎士中一番隊、二番隊
・白虎寄合組一番隊、二番隊
・白虎足軽
と三種、五隊が編成されていました。
この中で、集団自決をしたのは白虎士中二番隊。
しかも白虎士中二番隊全員が自決したわけでは
ありません。中には戦死したり、戦いを生き抜いたり
した隊士もいました。
本書では、この白虎士中二番隊の隊士を中心に、
前述の五隊の動向をかなり詳細に追跡しています。


内容には白虎隊の隊士たちが受けていた教育について
触れている部分があります。
この内容を読んでいて思ったのは「マインドコントロール
とはこういうものか、ということです。
儒教的で、忠君愛国の精神を育てる教育なのですが、
このような教育を受けていたから、年若い少年たちが
集団自決を決意するにいたったのかと思うと、教育と
いうものは恐ろしいものだという印象を受けました。