ローマ人の物語〈32〉迷走する帝国〈上〉

ローマ人の物語〈32〉迷走する帝国〈上〉 (新潮文庫 し 12-82)

ローマ人の物語〈32〉迷走する帝国〈上〉 (新潮文庫 し 12-82)



ローマ人の物語」の第32弾は西暦211年から235年まで。
ローマ皇帝カラカラ、マクリヌス、ヘラガバルス
アレクサンデル・セヴェルスの治世。


英雄たちの時代は完全に終わり、帝国は崩壊へと向かいます。
この巻では、まだ帝国の体裁は維持していますけれども、
皇帝の権威はずいぶん下がってきています。
登場人物も知名度の低い人たちばかり。
やっぱり面白さという点では厳しくなってきましたね。


この巻で一番大きな出来事はパルティアが滅んだことでしょうか。
これまで帝国の東方に位置し、たびたび戦火を交えてきた
パルティア王国が滅びて、ササン朝ペルシアに代わられました。
創始者はアルダシルという人です。
こののち、イスラムが興るまでイランに君臨する王朝です。
ローマ帝国とも次巻以降いろいろ因縁がありそうです。