ローマ人の物語〈33〉迷走する帝国〈中〉

ローマ人の物語〈33〉迷走する帝国〈中〉 (新潮文庫 (し-12-83))

ローマ人の物語〈33〉迷走する帝国〈中〉 (新潮文庫 (し-12-83))



ローマ人の物語」の第三十三弾は西暦235年から270年まで。
ローマ皇帝マクシミヌス・トラクス、ゴルディアヌス三世、
フィリップス・アラブス、デキウス、トレボニアヌス、
ヴァレリアヌス、ガリエヌスの治世。


とにかく目まぐるしいですね。皇帝と呼ばれる人々が
次から次へと出てきては消えてゆく展開です。
一人の皇帝の登場期間がきわめて短くて、感情移入のような
ことは全くできません。政治、軍事の展開を追っていくだけで
精一杯です。


ローマ帝国は、内部では次々に皇帝が変わり、外部からは
蛮族の侵入、ササン朝ペルシアの侵攻を受け、満身創痍と
いった感じになっていきます。
そしてついに皇帝ヴァレリアヌスがササン朝ペルシアに
生け捕りにされるという失態を犯します。


以前から何度か登場していましたが、そろそろ存在感を
増してきたのがキリスト教です。いずれローマ帝国の国教と
なるキリスト教ですが、現段階では、ローマ帝国内の
危険分子として弾圧される対象となっています。
どの宗教もそうでしょうけれども、宗教の初期段階というのは
社会的にはいささか危険なようです。