ローマ人の物語〈36〉最後の努力〈中〉

ローマ人の物語 (36) 最後の努力(中) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (36) 最後の努力(中) (新潮文庫)



ローマ人の物語」の36巻は四頭政下のローマ
の内乱。西暦306〜324年。


危うく見えた四頭政はやっぱり崩壊して、4人の
皇帝に加えて前西方正帝の息子も加えた5人によ
る縄張り争いへと突入していきます。生前譲位
だったディオクレティアヌスも事態の収拾に動き
ますが根本的な解決には結びつきません。ついに
はローマは内乱に突入します。


内乱の中で台頭してくるのがコンスタンティヌ
ス。まず帝国西方を押さえ、イタリアを押さえ、
東方に進出。20年近いローマの内乱を統一に導
きます。コンスタンティヌスは確かに勝ったので
すが戦争の叙述を見ていると、カエサルやハンニ
バルのような爽快な勝ち方ではなく、どちらかと
言えばギリギリな勝ち方で著者も記されています
が、「戦略戦術のあざやかな使い手ではなかった
ように思われる」。ストーリーとしては確かにコ
ンスタンティヌスの連戦連勝なのですけど、読ん
でいて今一つすっきりしないですね。


結局、ディオクレティアヌスの開始した四頭政は
崩壊し、コンスタンティヌス一人による統治が始
まります。統治の内容はまた次巻。