ローマ人の物語〈36〉最後の努力〈中〉
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/08/28
- メディア: 文庫
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「ローマ人の物語」の36巻は四頭政下のローマ
の内乱。西暦306〜324年。
危うく見えた四頭政はやっぱり崩壊して、4人の
皇帝に加えて前西方正帝の息子も加えた5人によ
る縄張り争いへと突入していきます。生前譲位
だったディオクレティアヌスも事態の収拾に動き
ますが根本的な解決には結びつきません。ついに
はローマは内乱に突入します。
内乱の中で台頭してくるのがコンスタンティヌ
ス。まず帝国西方を押さえ、イタリアを押さえ、
東方に進出。20年近いローマの内乱を統一に導
きます。コンスタンティヌスは確かに勝ったので
すが戦争の叙述を見ていると、カエサルやハンニ
バルのような爽快な勝ち方ではなく、どちらかと
言えばギリギリな勝ち方で著者も記されています
が、「戦略戦術のあざやかな使い手ではなかった
ように思われる」。ストーリーとしては確かにコ
ンスタンティヌスの連戦連勝なのですけど、読ん
でいて今一つすっきりしないですね。
結局、ディオクレティアヌスの開始した四頭政は
崩壊し、コンスタンティヌス一人による統治が始
まります。統治の内容はまた次巻。