英語表現のトレーニング―ポライト・イングリッシュのすすめ

英語表現のトレーニング―ポライト・イングリッシュのすすめ (講談社現代新書)

英語表現のトレーニング―ポライト・イングリッシュのすすめ (講談社現代新書)



英語の敬語表現について語られている本です。副題に「ポライト・イングリッシュ」とあります通り、敬語というよりは「丁寧な英語」の本と言った方がいいでしょう。この本を読んでいると、中学校、高校で教えられている英語が、いかに子供っぽくて失礼な英語であるか、ということを突き付けられます。


本書の中では、いろいろな場面における「丁寧な英語」の言い回しが解説されます。中には、
・会議を進める
・感じのよいことわり方
・カドをたてずに苦情をいう
・上手にあやまる
・悪い知らせをソフトに伝える
など、私たちの母国語である日本語を使ってでさえ難しいようなシチュエーションにおいて英語でどう表現するのがよいか、実際に例が示されています。著者は女性なのですが、女性ならではの気遣いも感じられます。


また、Will you 〜 ?とCan you 〜 ?の違いや、Would you 〜 ?とCould you 〜 ?の違い、Can I 〜 ?とMay I 〜 ?の違いなど、日本語に訳してしまえば同じになってしまう英語表現の微妙なニュアンスの違いも解説されています。他にも、英語文化圏の文化論的な内容もいろいろ含まれており、興味深い内容だと思います。


ちなみに私は英語はからっきし話せません。英語が分からなくても、挿入されている例文のほとんどには日本語訳がついていますので本書の内容を理解することは十分可能です。もちろん英語ができる方にとっては、実践で役立つ有用な一冊だということができるでしょう。